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2009年7月 9日 (木)

赤灯えれじい 東京物語―著きらたかし

読み終わりました。もともとの作品の赤灯えれじいが連載終了後、ヤンマガでシリーズや読みきりとして連載された後日談や周辺談をまとめた短編集といえばよいのでしょうか・・・・

この作品のおもしろさはなんでしょうね?舞台は大阪なんですが、そこで織り成される二人の物語ですが、一部でもてはやされている同棲マンガとは一線を違える展開です。

「萌え」とかに代表される、可愛い仕草や状況に胸を躍らされる展開はほとんどありませんが、たぶん誰しもが持っているだろう、普通の生活が描かれた作品ではないかとおいらは思っています。

二人とも若く、とくにサトシはおいらと同じように不器用な面が多く、この厳しい世の中で上手く行かないことばかりです。そんな中でもサトシがなんとか進みながら、生活しています。また、相手のチーコも元ヤンキー(言い切っていのか?)なので乱暴かつ凶暴なのですが、しっかりとサトシや自分を見つめ、進んでいく話です。純情と言う言葉が本当に似合う作品です。

今回はその完結編に当たるわけですが、おいらは連載しているときは、必ずと言って良いほど読んでいたのですが、今、改めて読むと、今までの連載の一場面一場面が蘇ってくるような気がして、もう一度読みたくなってしまいました。

どんな物語でも終わりはくるのですが、そんな中で、どうしても続きが読みたくなってしまう作品の一つです。
きらたかし先生は現在、ヤンマガで新規連載中です。

ヤンキーとかが出てくるヤンマガの代名詞のような作品の完結編(だと思っています)。でもなぜか純情という言葉がやけに似合う作品でした。

ほかにもサトシの昔のバイトの風景やチーコの中学時代、書き下ろしのエピローグ、またこの連載のきっかけとなるマンガ賞を受賞した「赤灯えれじい」も載っております。
その「赤灯えれじい」の審査員のちばてつや先生のコメントが載っていますが、本当に的確で、読み終わった後、「なるほど」っと唸ってしまいました。

大変、面白い作品でした。

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