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2009年2月28日 (土)

感想文-吉田基已 「水の都 銀の月」-

感想文の書き出しがよくわかりません。
どんな風に書くのかとかどんな風に書けば伝わるのかという正解のにあ、またはすべてが正解のようなものだからどうしたらよいか考え物です。

さて、そんな記念すべく始めての作品に選んだのがこの作品です。

吉田基已 「水の都 銀の月」(講談社刊 モーニングコミックス)

P2280274

最近では「恋風」

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で一躍有名になられた方で、おいらもそっちからというと全く違います。
おいらの入り口は現在、講談社刊隔月誌「good!アフタヌーン」で連載中の「夏の前日」を読んで、面白く、それで古本屋に行って、前の作品を大人買いしたのが始まりです。しかも、おいらは当初は、石川雅之の「純潔のマリア」が読みたくて、久しぶりにアフタヌーン系(?)の雑誌を買って、目的の部分だけ読んであとは気にせずにいたのですが、最近になってとんっと時間が出来上がってしまい、細部まで読んでこの作品を読んだ次第で。
まあ、なんとも時間がかかってしまいましたが・・・・

この作品は2巻まで刊行されています。どうやらまだ結末ではないようですが。
大まかにあらすじをいうとある芸術大学の大学のヌシ化している大学生とその周辺の人との交流を描いた作品です。かなり大まかだな。
と書きましたが、明確な主人公がいないようなこの作品。もし居るとしたら全員が主人公なのかもしれないなって。
この手の話って主人公とヒロイン的な人がいて、その二人を中心に話を展開していき、周りの人については伏線をちょこちょこ入れていき、最終話ですべてを明確にする手法が多い(おいらの見解ね)のですが、この作品は周りの人が主人公にもなるものでおいらが好感を抱いた一つでもあります。

中心が移動するのですが、同時進行な話はなく、一つ終わってまた一つという感じで積み木のような経過を追っていくために話がわかりやすく、伏線も少ないために読みやすくもなっております。

それでは作品の内容の触れていきましょうかな。
この作品を読み終わった後に、一番初めに抱いた感想は
「この人たちは自由に、さりげなくいきているのだな。」
メンバーのほとんどが大学生で、時間が進んでいきますが、ほとんど自由人です。ほぼ時間に縛られていない感じがしました。また、あまり目立たないのですが、バンド活動も本当にプロとか目指しているわけでもなく

趣味の延長線上でやっているような感じで、本当にゆったり時間を流れています。
こんな時間の過ごし方が出来れば、すごく楽しいだろうなと思わせてくれました。
しかし、ただ時間が流れているだけではなく、一人ひとりがその中でなんらかの壁にぶつかって、悩み、もがき、苦しんでる様が描かれているので、現実から逃避できないほどの距離感というかそれを保っているので、ただ単にお気楽話ではない。

人が生きるうえで悩みって物は不可欠で、たぶん悩まない人などいない。
それはどこに居ても同じで、誰でも同じ。そんなことが感じられる作品です。
また、どの人も正解とはいえないまでも問題を一つ一つ乗り越えていきます。少年漫画のように厳しい特訓をして何かを見出すわけではないですが、考えて、考えて、乗り越えていきます。
まあ、現実はそんなに甘くはないよっと心の片隅でそう思いながらも、どこかそれを無視して呼んでしまうそんな作品でした。

大学生なので(?)色恋的なシーンもたくさん出てきます。まあ、具体的に言えばラブシーンね。
でも、それも生活の一部としての捉え方が多く、全然というと嘘になりますがエロくはないです。
それ中心の話(1巻あたり)もありますが、それを勝るような悩みがそこにはあるので全然気にもなりませんでした。

また、画風も線がはっきりと書かれているわけでもなく多少なりに荒く書かれていますが、それに柔らかさを感じて、少しだけ心が温まる感じです。
おいらは冬目景先生(代表作はイエスタデイをうたって、黒鉄)がとっても好きで、冬目景先生もこの類に入るとは思いますが、どこか柔らかい印象を受けます。
冬目景先生は油絵をそのままマンガにした感じ。
冬目景先生も美大出身ですが、この人もでしょうか?

まあ、難点を書けば、1巻と2巻では書かれた時期がまったく違うので、多少なりに受け入れられないキャラの崩れはありますが、それを除けばよい作品だと思います。
おいら的には2巻の画風もよいのですが、1巻の画風も好きだったりします。

こんな感じでいいかな?
好き勝手に書きましたが、おいらの駄文ではこの感動は伝わらないのだろうな。
とにかく良い作品であることはまちがいないですね。

今は「good!アフタヌーン」で連載中の「夏の前日」を楽しみに待っているところです。
こちらも面白い。

P2280276

しかし、おいらが好きになる漫画家ってどうしてこうも隔週のひとがおおいのだろう?

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